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ヤッホーブルーイング新作「有頂天エイリアンズ」セブン-イレブンで先行発売。“一般的なビールと真逆の味わい”が特徴
2025年5月21日 20:21
- 2025年5月21日 発売
「よなよなエール」などで知られるクラフトビール醸造所のヤッホーブルーイングが、セブン-イレブン・ジャパンと共同開発した新作「有頂天エイリアンズ」を発売した。アルコール度数は6.0%、350mL缶で、価格は350円。
まずは首都圏・長野県・山梨県のセブン-イレブン約7500店舗で先行販売、6月11日以降に順次、全国のセブン-イレブンで販売する。セブン&アイグループの各店舗(イトーヨーカドー、ヨーク、ヨークベニマル、ザ・ガーデン自由が丘)での販売も予定しているほか、公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS」全6店舗では樽製品を提供する。
「クラフトビールの魅力をより多くの人に広めたい」「多様で個性的なビールを揃え、選ぶ楽しさのあるビール売り場にしていきたい」という両社の想いがマッチし、約2年かけて開発された本商品では、主流のラガービールとは真逆の味わいを提案する。
ビアスタイル(ビールの種類)としてはヘイジーIPAというもので、ラガービールの特徴を「透明ですっきり・苦みが強め・穏やかな香り」とすれば、「濁ってまろやか・苦み控えめ・トロピカルな香り」と、まさに正反対の特徴をもつ。
ヘイジーIPAはクラフトビールの本場であるアメリカでも人気が高まっているビアスタイルで、クラフトビールファンの注目度は高い。そして、その特徴からビールを日常的に飲まない人にも味わってみてほしいという。
筆者も試飲してみたが、フルーティーな香りが豊かに感じられ口当たりもなめらか、そして苦みやクセがなく非常に飲みやすいビールだと感じた。のどごしやキレを重視した一般的なビールとはたしかに別物で、ビールの味が苦手という人にもおすすめできる。
有頂天エイリアンズというネーミングは、気分を上げる一杯、そして新しい文化や味わいに出会うワクワク感を表現したもの。ヤッホーブルーイングらしいポップで個性的な缶のデザインにも注目で、酒棚に飾ってもサマになりそうだ。
“真逆の味わい”を実現したポイントとしては、まず、とろみ成分を含むオーツ麦を多く使用することで口当たりがまろやかになり、麦芽のタンパク質とホップのポリフェノールが結びついて濁りが生まれる。これを無濾過で充填することで、特徴的な濁りが残ったビールになる。
ラガービールの約11倍の香気成分を含むという香りの豊かさは、看板商品「よなよなエール」の1.8倍ものホップを使って生み出される。「ホップが多いと苦みが強くなるのでは?」と疑問に思われるかもしれないが、ホップの苦みは加熱時に出るそう。発酵中にホップを入れる「ドライホップ」という方法を使い、香りだけを引き出している。
このように仕組みをひも解いてみると、ヘイジーIPAの特徴を出すにはこだわりの原材料をふんだんに使う必要があり、比較的コストのかかるビアスタイルであることが見えてくる。
1缶350円という価格設定は缶ビール全体を見れば少し贅沢な気分で選ぶ商品でもある一方、1缶500円前後の商品もめずらしくないヘイジーIPAとしては破格ともいえる。その点は、セブン-イレブンによる全国展開を前提にクラフトビール醸造所としては規模の大きいヤッホーブルーイングの生産力で応えることによって実現できた部分だという。
セブン-イレブンの上条智氏は、今回の新商品を通じてビールのマーケット拡大に挑戦したいと語る。
日常的に飲酒する習慣がない人が増える一方で、20代になって一度はお酒を飲んでみようとチャレンジした経験がある人は95%いるという調査結果を挙げ、クラフトビールのように既存商品と異なる味わいの選択肢を増やすことが潜在顧客の開拓につながるという見解を示した。
ヤッホーブルーイングの井手直行社長も、約1000万人とされる半年に1回程度はお酒を飲む「非日常層」へのアピールの重要性に触れ、そのニーズを「物価高・タイパ・コスパの時代に、未体験の本物感に惹かれるが、買いやすく安心できるものがいい」と分析。クラフトビール国内最大手のヤッホーブルーイングとセブン-イレブンのタッグによって、これを満たす商品に仕上がったと自信を見せた。